講演内容
包皮粘膜を用いる方法は、40年以上前に日本で報告されているのですが、なぜか意外に知られていません。全くもったいない話です!
海外の成書に記載されている骨盤尿道を会陰皮膚に連結させる方法は、長期的には開口部の狭窄が生じるリスクがあります。尿に耐性がある包皮粘膜がすぐそこにあるにも関わらず、従来法では包皮を利用せずに取り除いて、尿への耐性が低い皮膚にわざわざ開口させます。何ともったいないことをしていると思いませんか?
初期の包皮粘膜を使う方法はやや複雑でしたが、今回紹介する術式は陰茎から切り離した筒状の粘膜をそのまま使うため、極めてシンプルです!径が広い骨盤尿道を引き出して縦切開する術式は従来法と同様で、その後は尿道が引き込まれないように固定し尿道粘膜と包皮粘膜を縫合するだけです。
今回の講演では、下記について手術動画を交えながら解説します。
(本法)
・包皮と肛門の間で皮膚を逆U字切開
・陰茎から包皮粘膜を分離
(従来法と同じ)
・尿道を坐骨に固定している坐骨海綿体筋などを離断
・尿道球腺が見えるまで骨盤尿道を引き出し、尿道を縦切開
(本法)
・尿道が引き込まれないように固定
・縦切開で開いた骨盤尿道粘膜と包皮粘膜を縫合
是非マスターして、不幸な猫を減らしましょう!
廉澤 剛
セミナー概要
ライブ配信日時 | 2025年4月16日(水)20:00~21:30(質疑応答含む) |
見逃し配信 | 永続的に視聴可 サイトクローズにより視聴できなくなる場合、6ヶ月以上前に告知します
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講師 | 廉澤 剛 先生
日本小動物医療センター / センター長
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参加費 | 3,000円(税込)(学生、院内教育割引あり) |