講演内容
私もかつてはどこまで切るべきなのか、どこまで切っても大丈夫なのかが分からず、集学的がん治療の名の下に、効果が定かではないにも関わらず形態や機能を温存できる放射線や抗がん剤に期待して中途半端な外科治療をしていました。しかし、多くはコントロール不能となった腫瘍やひどい合併症によって、形態や機能を損なって亡くなって行きました。動物にとっては全く迷惑な話で「こんなことになるなら手術で機能や形態を損なうとしてもまずは腫瘍をしっかり取り切ろう!」という覚悟に至りました。
何とか元気に過ごさせたいというご家族の思いと悲惨な死を迎えさせてしまった動物に後押しされて、またCTを筆頭とした画像診断の発達にも助けられて、特に頭頚部腫瘍や膀胱腫瘍でアグレッシブに突き進むことができました。もちろん単にアグレッシブに取れば良い訳ではなく、それを補うための様々な工夫が必要であり、さらに外科侵襲によって微小転移巣が増悪する現象にも対策が必要です。
最も大事なことは、早期に腫瘍を診断して早期に適切な治療を行うこと。 ご家族と動物の運命は先生方にかかっていることを決して忘れないでください。
セミナー概要
| 見逃し配信 | 永続的に視聴可 | 
| 講師 | 廉澤 剛 先生 日本小動物医療センター / センター長  | 
| 参加費 | 1000円(税込) | 
